REPORT
連続講座 スライドで楽しむ物語の世界



  

 2018年 第2回 『ツバメ号とアマゾン号』(上下)
          
 アーサー・ランサム/作 神宮輝夫訳/岩波少年文庫
                  
                    

「読書会」報告 
(2018年9月10日)
今回はアーサー・ランサムの、『ツバメ号とアマゾン号』のシリーズ第1巻、『ツバメ号とアマゾン号』です。ウォーカー家の四人の兄弟が湖畔の農家へ夏休みを過ごしに来て、キャンプをしたり、帆船を乗り回したり、無人島で子供たちだけの生活を楽しんだりするところから始まりす。子供たちの休暇の喜びにあふれた物語です。 九十年近く前に出版されて、今なお読者を引き付ける魅力とは何か。読書会での意見を紹介します。「ピーターラビット」シリーズ(ビアトリクス・ポター/福音館書店)の読書会をしました。18人の参加

【皆さんの感想】
❀6年生に紹介したことがある。
❀物語の冒頭で、ロジャが野原を、お母さんのところまで、ヨットの操縦をまねてジグザグに走ってくる場面が印象深い。
❀子供たちが、豊かな大人たちに見守られてのびのびと成長していくのを感じた。
❀読みながら、四人の兄弟と一緒に子供に戻って楽しんだ。
❀子供たちの、大人への接し方やキャンプでの過ごし方を見ていると、しっかりしつけられているのを感じる。それでいてお母さんは子供たちの「ごっこ遊び」に付き合っていて、すごいなあと思う。
❀帆船用語がたくさん出てきたり、読み始めはとっつきにくく感じたが、読み進めるうちにどんどん引き込まれた。
❀中1の息子と一緒に読んだ。親子で楽しんだ。
❀当時の中流階級にとって、ヨットを子供に持たせるのはステータスだったそう。
❀何回もチャレンジしたが読めなかった。読んでいても字面だけ追っている感じたった。共感できるものがあれば読み進められたのかもしれない。
❀日本の子供の生活との余りの違いについていけず、三度挑戦したが読めず、今回四度目で、以前ヨットに乗ったのを思い出し共通点を見出して,読みきれた。何かちょっとでも共感できることがあればそれをとっかかりに読み進められるのではないか。
                                   




上左)表表紙の絵 ダリヱン岬
(上右)ダリヱン岬のモデルになった場所


(上左)コリングウッド家
(上右)物語りの冒頭 ロジャがお母さんのところまで間切りながらいった場所


 2018年 第2回 『ツバメ号とアマゾン号』(上下)
          
 アーサー・ランサム/作 神宮輝夫訳/岩波少年文庫

                  
 

「スライドの会」報告 (2017年9月19日)

今回、池田先生のスライドの会に初めて参加させていただきました。
まず、アーサー・ランサムの生涯について、資料をもとに説明がありました。その一部は、アーサー・ランサムは小さい頃から父親につれられ、湖水地方で狩りや釣りをしたこと。ロンドンの出版社に勤め、休みになると湖水地方へ行ったこと。コニストン湖でコリングウッドさんと知り合い仲良くなったこと。その娘のドーラとバーバラ、息子のロビンとも仲良くなったこと。そして、ドーラの子どもたちがツバメ号の子どもたちのモデルであること。
 スライドは、『ツバメ号とアマゾン号』だけでなく、同じく湖水地方を舞台にする、2巻『ツバメの谷』、4巻『長い冬休み』、6巻『ツバメ号の伝書鳩』、11巻『スカラブ号の夏休み』に出てくる場所や、アーサー・ランサムにゆかりのある場所もありました。
ダリエン岬のモデルとなったダーウェント湖のフライア・フラッグ、ダリエン岬の頂上のモデルとなったキャスル・ヒル。どちらも挿絵そのままでした。
ベックフット(ナンシイとペギイの家)のモデルとなったレインヘッド(コリングウッド家の邸宅)。カンチェンジュンガのモデルのオールドマン。
ハリ・ハウ農場のモデルとなったバンク・グランド農場とツバメ号のボートハウス、ロジャがお母さんのところまでタッキングをして登った坂、タコの礁湖、ヤマネコ島、アマゾン号の船着き場とボートハウス、スウェンソン農場、ロジャがすべったズボン破りの坂、ヒースの花、タイソン農場、ディクソン農場、フリント船長のハウスボート、ランチ、ヤマネコ島の秘密の港、ツバメの谷、ドッグホーム、等々。物語に登場する場所をスライドで見ることができて、あの出来事が起こったのはここだったんだ―と再発見するような気持ちになりました。
またランサムとエフゲニア(ランサムの2度目の妻。ロシア人)がしばらく住んでいたヒールドやウィンダミアにあるランサムが通った学校の寄宿舎(現在はアパートになっている)。ウィンダミア・スティームボート・ミュージアムにあるアマゾン号。ウの島とウィンダミア湖のヤマネコ島のモデルのブレイクホルム。ランサムとエフゲニアの墓がある教会、ルスランド・チャーチ。ランサムがしばらく滞在して本を書いたマナーハウスのローイックホール、ランサムがしばらく住んでいたヒル・トップ。1929年、ランサムが作品を書き始めたニュービーブリッジホテル。バークブースに住む大佐とララバンに住むランサムが、釣りに行く時間を知らせる信号を送った火星の通信などなど。スライドは盛りだくさんで興味深いものばかりでした。また、ランサムゆかりの家に住んでいる方々から、家の写真を撮らせていただく話も楽しかったです。池田先生は、これらの写真を撮るのに何度か訪れたとのこと。貴重なスライドを見せていただきありがとうございました。
                                  ふうせんの会 吉澤


(上左)ツバメ号のボートハウスのモデル
(上右)カンチェンジュンガ(本当の名前はオーゾマン)


(上左)アマゾン川のモデル
(上右)ヤマネコ島のモデル

  (上左)アマゾンボートハウスのモデル
(上右)スウェンソン農場のモデル

(上左)ディクソン農場のモデル
(上右)遊覧船 フリント船長の屋形船はこんな船


(上左)ツバメ号ボートハウスのモデル
(上右)ランサムが行った寄宿学校 今は民間のアパート

  

   

         
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